「宇宙コンビニ」から「JYOCHO」へ、進化するプログレ・ポップ・サウンド

プログレッシブ・ポップ

”プログレッシブ・ポップ”を掲げた京都発のバンド「宇宙コンビニ」がデビューしたのは、2012年のこと。

様々なジャンルを通過した音楽性から個々の解釈でポップに消化し、独自の世界観を産み出す。

宇宙コンビニ OFFICIAL WEB SITEから引用しました

そもそも、プログレことプログレッシブとは、前衛的・先進的という意味があって、ピンク・フロイドをはじめとするプログレッシブ・ロック・バンドの楽曲の特徴として

  • アルバム全体を一つの作品とする概念(コンセプト・アルバム)
  • 大作・長尺主義傾向にある長時間の曲
  • 演奏重視で、インストゥルメンタルの楽曲も多い
  • 技巧的で複雑に構成された楽曲(変拍子・転調などの多用)
  • 芸術性を重視した曲作り
  • クラシック音楽やジャズ、あるいは現代音楽とのクロスオーバー・ミクスチャーを試みたものも多く、高度な演奏技術を有する
  • シンセサイザーやメロトロンなどといった、当時の最新テクノロジーを使用した楽器の積極的使用

が挙げられ「宇宙コンビニ」においても、ポップ寄りとはいえ上記の項目に当てはまる点が多く、それこそプログレッシブ・ロックなど様々なジャンルを通過してきた往年の音楽ファンにも受け入れられる玄人受けするサウンドではないかとも思えます。

また、宇宙コンビニ、JYOCHOのアルバムジャケット写真は、どことなくYESやASIA、URIAH HEEPなどのプログレッシブ・ロック・バンドのジャケットを多く手掛けたロジャー・ディーンを連想させてくれます。

Drama [12 inch Analog]

ロジャー・ディーンが手掛けたYESのアルバム「Drama」のジャケット

スリーピース・バンド「宇宙コンビニ」

https://pbs.twimg.com/media/CGK_pxWUUAElsK1.jpg

えみちょこ (Vocal / Bass)5弦ベース
だいじろー (Guitar)変態タッピングギター
なずお (Drums)タイトかつキメ細かいドラム

“宇宙のように壮大、かつコンビニで流れていそうな音楽”というコンセプトのもと、2013年の1stアルバムリリース時、平均年齢21歳とは思えない卓越した演奏技術と柔らかくあたたか味のある、えみちょこのボーカルが印象に残る作品です。

染まる音を確認したら

1st Mini Album「染まる音を確認したら」

01. Pyramid
02. 8films
03. tobira
04. Compass
05. strings
06. 裁判にかけられた男
07. 体温

宇宙コンビニ 『Pyramid』

 

宇宙コンビニ『8films~tobira(radio edit ver.)』

 

1stアルバムより、さらにスケール感が増したサウンドが聴きごたえあります。

月の反射でみてた

2nd Mini Album「月の反射でみてた」

1. origin
2. EverythingChanges
3. セピア色の車窓から
4. 光の加減で話した
5. 闇には祝福を
6. 成仏してしまった男
7. 足跡

宇宙コンビニ 『EverythingChanges』

 

1枚のデモEPと1枚のミニアルバムをリリースし、カナダツアーを行うなど、順調にキャリアを重ねるも、2015年3月に惜しまれつつ解散しました。

宇宙コンビニ Last Live "EverythingChanges"/ 2015.3.13@京都GROWLY

ソロ・プロジェクト「JYOCHO」始動

http://sin23ou.heavy.jp/wp-content/uploads/2017/01/115820161015204435.jpg

2015年3月に解散した「宇宙コンビニ」のフロントマンとしてバンドを牽引してきた"だいじろー"こと中川大二朗が、ソロ・プロジェクト「JYOCHO」(じょうちょ)を始動。

ドラムにhatch(ex.DUG OUT)、ベースにシンディ(空きっ腹に酒、LOW-PASS)、ヴォーカルにrionosという、彼が選んだ凄腕ミュージシャンたちが繰り広げるテクニカルなサウンドは前バンドとリンクする部分も多く、さらに進化を遂げているように思えます。

プログレッシブ〜ポップスなど様々なジャンルを通過した音楽性に、テクニカルなトラック、温かみ、激情をふんだんに盛り込んだ、まさに情緒感たっぷりな、だいじろーにしかできない独自の世界観を構築

JYOCHO OFFICIAL WEB SITEより引用しました

祈りでは届かない距離

1st mini Album「祈りでは届かない距離」

1. family
2. 安い命
3. furusato
4. 故郷
5. 太陽とくらしてきた
6. あの木にはわたしにないものを
7. 365

雪国でのロケと都会的な映像美がシンクロする美しいミュージックビデオに仕上がっています。

JYOCHO『安い命』

 

さまざまな物質が“調和する”模様や、迫力あふれるバンドショット、さらに超絶的なプレイのテクニックが存分に堪能できる映像となっています。

JYOCHO『太陽と暮らしてきた』

さいごに

その音楽性からプログレッシブ・ポップにとどまらず、ポスト・ロック、マス・ロックなどのジャンルとして語られることもある中川大二朗の生み出すサウンド。

まさに、”情緒”あふれる「JYOCHO」や「宇宙コンビニ」の音楽にふれることで、美しさや寂しさや喜びなど、さまざまな感情が心地よく揺さぶられることでしょう。