中村一義という、進化を続けるシンガーソングライター

デビュー20周年で初のセルフカバーアルバム

最高築 (初回限定プレミアム盤[CD+BOOK+GOODS])

デビュー20周年を記念して、自身初のセルフカバーアルバム「最高築」がリリースされました。

代表曲の数々がバンドサウンドで新たに再構築されており、合わせて今回のアルバムバージョンの『キャノンボール』のミュージックビデオも公開されています。

コアなファンは原曲と聴き比べ、懐かしんだり思わぬ発見をしたり、初めて聴く人はこのアルバムから中村一義を遡っていくなんて楽しみも。

20年前、天才あらわる

97年の衝撃的かつ鮮烈なデビューを果たしたころ、音楽評論家の渋谷陽一は”10年に一人の天才”、1stシングル「犬と猫」のライナーノーツでは、”中村一義と心中して音楽評論家を辞めてもいい”とまで言い放ち、幅広いジャンルで活躍するクリエイター、いとうせいこうは”桑田佳祐を継ぐ日本語詞の使い手”と評価しました。

当時、普段はクラシックしか聴かない友人から『中村一義という天才がいるから、ぜひ一度聴いてみてくれ!』と電話があり、『金字塔』を聴いた記憶があります。

宅録ミュージシャンの先駆け的存在

高校卒業と同時にたったひとりで作詞・作曲、アレンジ、全ての生楽器を演奏するスタイルを確立。

「状況が裂いた部屋」と名付けられた自宅のプライベートスタジオで、独学で楽器演奏をマスターしながら作られたオリジナリティーあふれるサウンドが斬新でした。

独特な詩世界

句読点を使ったり、ダブルミーニングなどのことば遊びを多用した独特な詞世界に加え、日本語英語ともいわれる、独特の発語感を持つボーカリゼーションが高い評価を得ました。

アルバムによってスタイルを変え、進化していく

97年にデビューし、ソロ名義でオリジナルアルバムを4作品、2005年からはバンド100s(Hyaku-Shiki)名義で3作品、2012年にまたソロ名義となり原点回帰を思わせるひとり多重録音のアルバム、そしてソロ名義ながらバンド編成のアルバムをリリースするなど、アルバムによってスタイルを変え、音楽を楽しみながら進化を続けているように思えます。

中村一義 1997年6月1stアルバム『金字塔』

作詞作曲から歌唱、ほとんどすべての楽器の演奏、アレンジに至るまでひとりでやってのけたセルフプロデュースのアルバム。

金字塔 

 小さな灯り消して、真っ暗にしてみる。
すると、解るよ。「僕は、今、ここにいる」。

ここにいる の一節

中村一義 1998年11月2ndアルバム『太陽』

仲井戸麗市(RCサクセション)や曾我部恵一(サニーデイ・サービス)などのゲストが参加しています。

太陽

中村一義 2000年9月3rdアルバム『ERA』

細野晴臣や岸田繁(くるり)、真島昌利(クロマニヨンズ)など多数のゲストが参加して制作された作品です。

ERA

中村一義 2002年9月4thアルバム『100s』

ソロ名義ながら、100sのメンバーによるバンドスタイルのポップ・ロックなアルバム。

100s

この車道の両端の、
無数に咲く灯りのように、
闇ん中の光は、ホラ、強い。
また朝に散らばっていくように…。

セブンスター の一節

100s 2005年1月『OZ』

100s名義での1stアルバムですが、中村一義名義のアルバム「100s」(ヒャクエス)の時点でメンバーは同じなので、実質的には2ndアルバムとも言えます。

また、21曲70分33秒というボリュームのある作品です。

OZ

100s 2007年5月『ALL!!!!!!』

 前作から2年4か月ぶりにリリースされた2ndアルバム。

ALL!!!!!!

100s 2009年7月『世界のフラワーロード』

 中村一義が生まれ育った町(東京都江戸川区)の『原風景』をテーマに制作された作品です。

世界のフラワーロード

中村一義 2012年7月5thアルバム『対音楽』

原点回帰したかのように作詞作曲からアレンジ、演奏、プロデュースに至るまで全てひとりでこなし、自身の音楽キャリアが総括された約10年ぶりのソロ名義でのアルバム。

ベートーベンと対峙し、交響曲第1番から第9番までと、ピアノソナタ第八番のフレーズが曲順に織り込まれています。

対音楽

中村一義 - 「運命」

2016年3月6thアルバム『海賊盤』

新バンド「海賊」を率いての100sとは一味違った新たな船出をイメージさせるバンドサウンドが味わえるアルバム。

ジャケット写真で、ビクターのマスコットキャラクター「ニッパーくん」と向かい合い、凛々しい横顔で座るかわいらしい柴犬は中村一義の愛犬『魂(ゴン)』。

海賊盤 [初回限定盤(CD+DVD)]

中村一義 - スカイライン

さいごに

 中村一義がやりたい音楽の到達点って、こんなかんじなのではと思います。

次のオリジナルアルバムが期待されます。