さよならポエジーという、歌詞が詩的な日本語ロックバンド

前線に告ぐ

歌詞とサウンドの両方がスーッと体に馴染む音楽に出会えたときって嬉しいもの。

なんとなく、お気に入りの衣服に出会ったときに似て、それがデニムやスニーカーだったら「これからどうやって着こなして(着古して)やろうか」ってなる感覚。

その音楽をリピート再生しながら聴き込んでいこうみたいな。

さよならポエジーを聴いていると、そんな気分になるのです。

さよならポエジー

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PROFILE - sayonarapoesie ページ! より

 

神戸発。”仕掛け無し、に、死角無し。”を掲げて活動するバンド。

メンバーは、オサキアユ (Vo.Gt. )、ナカシマタクヤ(Dr. )、マッサー(Ba.)。

これまでサポートメンバーとしてバンドに参加していたマッサーが正式加入し、3ピースになったばかり。

歌詞カードを読む楽しみも

さよならポエジー 前線に告ぐ

【前線に告ぐ】


赤が青になる様 日々は単調になっていくわ
無傷はふりだしの象徴であるかの如くです

馬鹿が阿保になる様 日々に変調もさしてないわ
蹉跌は自らへの表彰であるかの如くです

師走 計画の遂行です 愛書はなぞり終えたのです
束の間 冬を吸い込んでいた あなたが言う

あなたならきっと上手く生き残れるわ

始発 運行は順調です バイトは週に数日です
シカザワ 時折思い出すわ あなたの事

あなたならきっと上手く生き残れるわ

さよならポエジー 前線に告ぐ(Official Video) - YouTubeより引用しました

さよならポエジーというバンドは、巧みな言葉選びから生まれた歌詞が魅力。

木の葉の裏をめくって、枝分かれする細い葉脈を眺めるように、言葉の裏側や、行間を読んで自分なりに解釈する楽しみがあったりします。

この「前線に告ぐ」の歌詞にしても一編の詩として国語の教科書に載っていたとして、ヨレヨレのジャケットを羽織った年配の教師が、『一・二行目と三・四行目は対になってる(韻を踏んでいる)が、ところで蹉跌は自らへの表彰であるかの如くの部分は作者が何を言いたいんだ?』のような問答を繰り広げてもおかしくないレベル。

たしかなのは、「歌詞」「薄っぺらい」でググって出てくる方々の歌詞とは、一線を画しているんじゃないかなってこと。

懐かしさを覚える正統派ロック

 90年代や00年代のギターロックバンドを踏襲したようなサウンドも一周回って、とても新鮮に聴こえます。

”主流の「踊らせるロック」に異を唱え「踊らせないロック」を緻密に展開している”、なんてキャッチフレーズのバンドも現れている昨今ですから、こんな音を待ってましたな音楽ファンもきっと多いような気がするのですが。

もし、彼らのライブに足を運んだなら、モッシュ・ダイブするわけでもなく、踊るわけでもない。直立し、少し頭を揺らすくらいで歌詞を噛みしめ、音圧を受け止めて心酔するイメージ。

さよならポエジー - 二束三文

ミュージシャン仲間も絶賛

椎木知仁(My Hair is Bad)、牛丸ありさ(yonige)もまた、すこしひねくれた歌詞に定評があるふたり。

お互い共感できる部分がたくさんあるんじゃないでしょうか。

■椎木知仁(My Hair is Bad)コメント
もっと評価されるべき
これから必ず評価される
吸えない煙草を思わず吸いたくなるような 名盤と呼ぶべきデビューアルバム
売れたらアユはすげー嫌なやつになりそうだけど

■牛丸ありさ(yonige)コメント
音だけ聞いて天才かと思ったら歌詞カード読んで二度天才。邦楽の遺骨は彼らが拾う。

LD&Kができる50のことより引用しました

さいごに

1枚のフル・アルバムを、きっちり最後まで聴くのは、一匹のサンマをシッポまできれいに平らげる感覚に似ているような。